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養子縁組 - 中国人養子と日本人養親

2011年9月15日現在

要件

養子縁組の場所が中国の場合

中国法による。

くわしくは、中央人民政府ホームページの「网站首页 >> 外国人 >> 婚姻收养」を参照。
一般的には、中国国内で養子縁組をするほうが、日本でするよりも要件が厳しい。
  • 原則として、「中华人民共和国收养法」(主席令7届54号:収養法とは、養子縁組法の意味。)の規定によるが、外国人が養親となる場合は、渉外養子縁組の手続法(「外国人在中华人民共和国收养子女登记办法」)が適用される。(なお、中国大陸法では、香港、マカオ、台湾人は「外国人」に含まれないので、さらに別の手続きが用意されている。)

養子縁組の場所が日本の場合

日本の抵触法(法の適用に関する通則法31条)にしたがう。すなわち、
  1. 「養親となるべき者の本国法による」(日本民法792条以下、戸籍法66条以下参照)
  2. かつ、「養子となるべき者の本国法によればそのもの若しくは第三者の承諾若しくは同意又は公的機関の許可その他の処分があることが養子縁組の成立の要件であるときは、」この要件も備える。(いわゆる保護要件)

なお、ここでは、渉外家族法の問題に絞って、日本民法の養子縁組の要件については、説明を省きます。

保護要件

中国収養法では、原則として公的機関の許可は不要であるが、実親双方の同意が必要となる(中国収養法10条)。そのほか、年齢により養子本人の同意も必要となる。

なお、中国では、両親が離婚した場合でも子の共同親権を失わない。したがって、中国人の父A及び中国人の母Bの子Cを養子に迎える場合、AとB双方から同意を得る必要がある。(同意の方法については、後述。)

養子の実親の片方が欠ける場合や行方不明の場合は、片親の同意で足りる(中国収養法10条「…生父母一方不明或者查找不到的可以单方送养。…」)。

具体的な同意の要否は、つぎのとおり。
  • 養子が10歳未満のとき 実親両方の同意(中国収養法10条)
  • 養子が10歳以上15歳未満のとき 実親両方の同意&養子の「同意」(中国収養法10条、11条)
  • 養子が15歳以上の未成年(中国法では18歳未満)のとき 実親両方の同意&養子の「同意」(中国収養法10条、11条、日本民法)
    • この場合、養子本人が届書に「承諾」する旨を署名するので、これを中国法による「同意」とみなすことで、養子の同意書は不要

同意の方法

中国収養法は、「同意」(日本法でいう承諾に相当。)の方法について具体的な定めをおかない。(なお、先に述べたとおり、中国国内で養子縁組を行う場合の手続法はある。)
したがって、日本国内で養子縁組の届出(戸籍法66条以下)をする際に、同意があることが客観的に証明できる書類をそろっていればよい。

実親の同意があることを証明する方法としては、つぎのいずれかで足りる。
  • 戸籍の届書に中国人実親両名が届出人(縁組代諾者)として署名、押印する。(なお、印鑑をもっていなければ、押印がなくても受理される。戸籍法施行規則62条1項)
  • 中国人実親両名の同意書を添付する。(外国語の場合は、翻訳者を明らかにした訳文を添付する。戸籍法施行規則63条の2)
  • 届書の「その他」の欄に、同意する旨の記載と中国人実親両名の署名押印。(同意の附記。戸籍法38条1項)
養子本人の同意の方法については、つぎのとおり。
  • 養子が15歳以上の場合は、届書に養子本人が署名押印するので、同意書は不要。
  • 養子が10歳以上15歳未満のとき、同意書又は届書の附記。
    • 法務省民事局の通知(平成22年6月23日民一第1541号民事局第一課長通知)では、養子による同意書についてのみ言及しているが、このほかに、届書「その他」欄の附記でも足りる(戸籍法38条1項)。

参考

戸籍法38条1項 届出事件について父母その他の者の同意又は承諾を必要とするときは、届書にその同意又は承諾を証する書面を添附しなければならない。但し、同意又は承諾をした者に、届書にその旨を附記させて、署名させ、印をおさせるだけで足りる。

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