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学位・学歴要件 academic qualification for Japanese working visa

在留資格のうち、「研究」、「教育」、「技術」及び「人文知識・国際業務」に係る基準省令においては、「大学を卒業し」又は「大学を卒業し又はこれと同等以上の教育を受け」の規定がある。

入在要領によると、これらの解釈及び取り扱いについて、入管では次の点に留意している。(当職による注釈は、赤字で示す。)

特に断りのない限り、以下の説明における「大学」「短期大学」は、日本の教育機関をいい、外国の学校を含まない。
外国の大学、高等教育機関については、下記の3を参照。

  1. 「大学を卒業し」
    • 学士又は短期大学以上の学位を取得した者をいう。
    • 学位には、日本の教育機関で取得した、準学士、学士、修士、博士及び専門職学位が該当する。
      • すなわち、外国の教育機関が授与した学位は、これに該当せず、次項の「これと同等以上の教育」に該当するかの検討を要する。
    • 学位には、「専門士」は含まれない(ただし、「技術」「人文知識・国際業務」への資格変更については、例外的取扱がある)。高度専門士については、下記参照。
  2.  「これと同等以上の教育を受け」
    1. 大学の専攻科・大学院への入学が認められる教育機関の卒業者。
      • 学位授与機構により学位を受けた者は、大学院への入学資格があるものの、当該授与教育機関の卒業生ではないため、この規定には直接あてはまらない。(説明は後述)
    2. 以下の機関の卒業者。
      1. 当該機関の職員が一般の職員の給与に関する法律別表第6にある教育職員俸給表(一)の適用を受ける機関
        • 「この表は、大学に準ずる教育施設で人事院の指定するものに勤務し、学生の教育、学生の研究の指導及び研究に係る業務に従事する職員その他の職員で人事院規則で定めるものに適用する。」(教育職員俸給表(一)備考)
      2. 設備及びカリキュラム編成において大学と同等と認められる機関
        • 上記人事院規則8条以外の国公立の大学校で、卒業後に大学院への入学が認められる課程を修了した者が、これに該当する。航海訓練所や短期大学校の専修科修了生もこれに含まれる。
        • 職業能力開発大学校、職業能力開発総合大学校、職業能力開発短期大学校は含まれるが、職業訓練校は含まれない。
      3. 学校教育法施行規則155条1項4号に基づき告示指定された外国の教育機関
        • 外国大学の日本校で、JRの学割定期券が買える4年制の課程であれば、当該指定がなされている。
    3. 外国の高等教育機関の卒業者。
        • 文部科学省編「諸外国の学校教育」において、高等教育機関として位置づけられている機関を卒業した者は、大学卒業又は同等の教育を受けたものとして扱う。
          • 「諸外国の学校教育」は、文部科学省『教育調査』のシリーズの一部として、平成7年から8年にかけて発行された。内容が古く、現状と合わない部分がある。
            • 第122集『諸外国の学校教育 欧米編』(平成7年11月)
            • 第123集『諸外国の学校教育 中南米編』(平成8年1月)
            • 第124集 『諸外国の学校教育 アジア・オセアニア・アフリカ編』(平成8年9月)
          • 「諸外国の学校教育」を補完する資料としては、『教育調査』第139集「諸外国の教育動向2008年度版」(平成21年6月)のほか、同省生涯学習政策局調査企画課「教育指標の国際比較」(平成21年版)が参考となる。
          • 外国の教育水準の比較については、UNESCOが策定した国際標準教育分類("ISCED Level") という国際的な尺度が参考になる。ISCED Level 5A, 5B および 6 については、就学年限が2年以上あれば、基準省令における大卒相当と推定することができる。
          • 中国の教育機関の卒業者については、次の扱い。
            • 大学院、大学(又は学院、うち本科・専科を含む。)、専科学校、短期職業大学を卒業したものは、大卒同等以上として扱う。
              • 本科は4~5年制、専科は2年制。
            • 在留資格「研究」の上陸許可基準中の「大学(短期大学を除く。)を卒業し若しくはこれと同等以上の教育を受け」たかどうかは、以下のいずれかの場合に該当する。
              • 4年又は5年制の本科卒業者
              • 学位の授与ができる成人教育機関で4年以上の課程を修了し学位を取得した者。
            • 中国の学歴に関する証明書は、非常に偽造が多いので注意が必要。
              • 中国の学位認証機関である「教育部学位与研究生教育発展中心」(CDGDC)から証明書を取り寄せるよう、申請人に依頼するのが確実な確認方法。手数料を払えば、CDGDCから直接日本に送られてくる。(学校のほか、就職先に直送も可能。)
              • 最近は、オンラインでCDGDCの「中国高等教育学生信息網」に登録された学歴を確認できる。日本にも確認を代行する団体・業者が幾つかある。
              • 2003年、日本の入管とCDGDCとの間で、学歴認証についての協定が締結された。
            • 大学や学院を名乗っていても、学位を授与する権限のない非正規の学校がある。また、学院の本科・専科であっても、学位の授与を行わないコースが併設されていることがある。これらの場合でも、見かけ上正規の卒業証書と類似した証明書が交付されるので、相当の注意が必要。
            • 中国の場合、卒業しても学位が授与されないことがある。ただし、入管では、卒業の有無を審査するものの、学位の有無についてはチェックしていない様子。
              • 卒業に関しては「畢業」証書、学位については、学位証書が発行される。
            • 中国の「自学考試」による卒業資格は、大卒と同等以上とみなされない。
              • 中国では、「自学考試」という試験により卒業資格を得た場合、大学本科又は専科の卒業と同等の資格が授与され、上級の学校への進学も可能。ただし、学位を得ることはできない。 この資格は、大学に在籍して教育を受ける必要がないので、「これと同等以上の教育を受け」の要件に当てはまらない。
              • なお、日本の学位授与機構(後述)の場合は、試験と教育歴に基づいて「学位」を授与するので、「卒業資格」を与える自学孝試とは性格を異にする。
              • ちなみに、中医学の自学考試さえある。
    4. 大学を中退して飛び級で大学院に入学した者。
なお、入国管理局の在留審査要領に明示されていないが、 「これと同等以上の教育を受け」該当する学歴として、学位授与機構の学位がある。
  • これは、大学等の科目履修制度などにより履修単位を積み上げて、試験を経て学位が授与されるもの。
  • 大学卒業の有無は学位授与の要件ではないため、基準省令でいう「卒業し」にはあたらない。
  • しかし、学位授与の基礎単位の習得過程は「これと同等の教育」にあたるから、学位授与機構で学士の学位を授与された者については、大卒と同等以上の教育を受けたものと判断できる。